急変貌する米軍・自衛隊基地

内藤 功

ないとう いさお | 弁護士、日本平和委員会代表理事



一 戦争する国の物的基盤・軍事基地

 

戦争する国づくりを阻止することが、いま私たちの当面する重要課題である。「戦争する国」づくりは、容易にできるものではない。法的基盤・人的基盤・物的基盤という3つの基盤が必要である。法的基盤が、平和安全法制(「戦争法」)である。でも法制だけでは戦争はできない。人的基盤は、殺し殺される戦場で命令に絶対服従する要員である。そして、物的基盤は、軍事費と、軍事基地の機能強化である。本稿では、戦争国家づくり阻止の視点から、基地の急変貌を考えようとするものである。

戦争国づくりを推進する者(利益を得る者)は、核戦力を背景に世界戦略を推進する米政権・軍部、米日の軍需産業(軍産複合体)、そして安倍政権中枢の軍事大国をめざす勢力である。自衛隊員は、一部高級幹部を除き、外交・軍事政策の「道具」として、戦場に派遣され、被害者となる立場にもおかれている。戦争国家で利益を得る者は一握りに過ぎない。圧倒的多数の人々は、戦争する国づくりなどに反対で一致できる立場にある。

 

二 平和安全法制(戦争法)の仕掛け

 

戦争国家の法的基盤は、平和安全法制(以下「戦争法」という)である。戦争法に仕込まれた、戦争への仕掛けは、どのようになっているか。

(1)まず、とにかく、部隊を海外に出してしまう。「米軍後方支援」、「重要影響事態」、「国際平和共同対処事態」、「PKO活動」、「米軍の武器(とくに米艦隊)防護」等の戦争法で創設された名目で海外に出す。それからあとは、①自衛隊の海外活動→②武器使用、その拡大→③相手も武器使用、彼我交戦状態の発生→④交戦の拡大、という順序を経て、エスカレートする。

(2)そして政府(国家安全保障会議)が、「日本と密接な関係にある他国」の事態を目して、それも、日本にとっての「存立危機事態」(集団的自衛権を行使する事態)なのだと、判断すれば、内閣総理大臣が自衛隊に「防衛出動命令」を下令する。

以後、①自衛隊は「武力行使」(普通の国の軍隊並みの自由、柔軟な軍事力行使)が可能となる。②「国民の人的・物的動員」 防衛大臣または知事の令書により、医療・運輸・建築の従事者に従事命令、土地・施設・物資の所有者に強制使用(収用)命令が発せられる。自衛隊の行動を規制する道路法、河川法等々の法令の制限が排除される。国内での人的物的動員がなされる。このような法制は「戦争法」という以外に呼びようがない。

 

(以下は本誌にてお読みください)

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